| | みなさまにおかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 平素は格別のご高配・ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。 事業の経過及び成果等 平成21年度のわが国経済は、前年度後半以降の世界的な経済情勢悪化の影響を残したままスタートしました。その後、新興国経済の拡大に伴う輸出の増加や政 府の経済対策による個人消費の持ち直し傾向がみられたものの、景気は自律的な回復に至らず、失業率が高水準にあるなど厳しい状況が続きました。 損害保険業界におきましては、自動車保有台数の低迷、物流取引量の減少、自賠責保険の料率引下げ等の影響により保険料が減収となり、また、生命保険業界におきましては、少子高齢化等を背景に個人保険の保有契約高が減少いたしました。 こうした状況の中、東京海上グループは、平成21年度から、「お客様に品質で選ばれ、成長し続けるグローバル企業グループ」をビジョンとする中期経営計画 「変革と実行2011」をスタートさせました。この計画では、商品・サービスや業務プロセスに関する「品質の向上」を起点とした「持続可能な収益成長」の 実現を目指しております。また、収益性および成長性の高い事業分野に経営資源を積極的に投入するとともに、グローバルに競争力を発揮できる経営・管理態勢 の強化にも努めております。 当社の平成21年度の連結決算につきましては、景気低迷の影響等により保険引受収益が減少したものの、前年度に金融危機の影響等を受けて計上した有価証券評価損等が大幅に減少したことを主因として、次のとおりとなりました。 保険引受収益2兆9,681億円、資産運用収益5,363億円等を合計した経常収益は3兆5,708億円と前年度に比べ677億円の増加となりました。経 常利益は2,034億円と前年度に比べ2,185億円の増加となり、当期純利益は1,284億円と前年度に比べ1,052億円の増加となりました。 ◆国内損害保険事業 東京海上日動火災保険株式会社(以下「東京海上日動」といいます)の平成21年度の業績につきましては、正味収入保険料は1兆7,360億円と前年度に比 べ4.3%の減少となりました。また、経常利益は1,474億円と前年度に比べ777億円の増加となり、当期純利益は944億円と前年度に比べ233億円 の増加となりました。 東京海上日動は、商品・事務・システムを抜本的に再構築する業務革新プロジェクトに取り組んでおります。前年度の自動車保険に続き、平成22年1月、火災 保険の大幅な簡素化および新システム基盤への移行を実施しました。同社は、このプロジェクトを通じて一層の業務効率化を図るとともに、競争優位性のある商 品・サービスを提供することにより持続的な成長の実現を目指しております。また、代理店がお客様に提供するサービスの品質を一層向上させるため、新代理店 システム「TNet」の活用も推進しております。さらに、保険募集においてコールセンターやインターネットを活用する「マルチアクセス」のインフラを整備 し、お客様との接点の強化にも取り組んでおります。 日新火災海上保険株式会社の業績につきましては、平成21年度の正味収入保険料は1,318億円と前年度に比べ3.0%の減少となりました。また、経常利 益は64億円と前年度に比べ226億円の増加となり、当期純利益は42億円と前年度に比べ145億円の増加となりました。 当社がNTTファイナンス株式会社との共同出資により設立したイーデザイン損害保険株式会社は、平成21年6月に営業を開始いたしました。同社は、携帯電 話等のモバイルネットワークやインターネットを活用した自動車保険の販売に取り組んでおります。 ◆国内生命保険事業 東京海上日動あんしん生命保険株式会社(以下「あんしん生命」といいます)の業績につきましては、新契約高は2兆9,004億円と前年度に比べ15.7% の増加となり、平成21年度末の保有契約高は前年度末に比べ1兆3,952億円増加して20兆4,698億円となりました。また、経常利益は68億円と前 年度に比べ13億円の増加となりました。なお、同社は、保険業法上の標準責任準備金積立の早期達成に向けて、引き続き責任準備金の追加積立を実施したこと により、当期純利益は0億円となりました。 あんしん生命は、お客様のニーズに応える商品の開発に取り組んでおり、平成21年10月、先進医療と抗がん剤治療を重点的に保障する医療保険・がん保険の 新商品を発売しました。また、コーポレート・キャラクター「あんしんセエメエ」をテレビCM等に起用して新商品の特徴を紹介するなど、プロモーション活動 も積極的に展開しております。 フィナンシャル生命の業績につきましては、新契約高は1,734億円と前年度に比べ60.9%の減少となりましたが、平成21年度末の保有契約高は前年度 末に比べ1,412億円増加して2兆7,835億円となりました。また、経常利益および当期純利益は、それぞれ前年度に比べ114億円減少して13億円の 経常損失および当期純損失となりました。 フィナンシャル生命は、金融市場の状況をふまえ、リスクコントロールや収益性に留意しつつ、銀行窓口販売を中心とした変額個人年金保険の販売を通じて事業基盤の強化に努めております。 ◆海外保険事業 当社は、平成19年度に買収した英国のキルン・グループ・リミテッド(以下「キルン社」といいます)および前年度に買収した米国のフィラデルフィア・コン ソリデイティッド・ホールディング・コーポレーション(以下「フィラデルフィア社」といいます)について、東京海上グループへの円滑な統合および両社の事 業計画の達成に取り組んでおります。 キルン社は、再保険、海上保険等の収益性が高い契約引受の増加等により、平成21年度の正味収入保険料が4.3億英ポンド(641億円)と前年度に比べ 35.5%増加するなど、順調に業容を拡大しております。また、前年度に東京海上グループが設立したロイズ・シンジケートを運営することにより、グループ の収益拡大に貢献しております。 フィラデルフィア社は、米国の損害保険市場が低迷する中、特定の業種や顧客セグメントにフォーカスした戦略や強固なマーケティング力等により、平成21年 度の正味収入保険料が18.7億米ドル(1,728億円)と前年度に比べ10.7%増加するなど、高い成長性を維持しております。 再保険事業に関しましては、高い信用力を活用した新規契約の獲得や前年度の米国ハリケーンの影響による保険料の上昇等により、トウキョウ・ミレニアム・ リー・リミテッドの正味収入保険料が3.6億米ドル(332億円)と前年度に比べ13.3%増加するなど、順調に成果を挙げました。 当社は、平成21年11月、インドの有力金融サービス会社であるエーデルワイス・キャピタル・リミテッドとの間で、合弁生命保険会社を設立することで合意 しました。これにより、東京海上グループは、成長性の高いインド保険市場において、損害保険事業および生命保険事業の双方を展開する日本で唯一の保険グ ループとなります。 ◆資産運用・金融事業 資産運用に関しましては、健全な財務基盤を維持するためリスク管理の徹底を図るとともに、保険金および満期返れい金の支払に備えるため資産・負債総合管理 (ALM)に努めました。また、資産の安全性・流動性を確保するため、資産ポートフォリオにおける債券の保有を増加させる方針で取り組みました。なお、証 券・金融市場の回復等により、東京海上グループの有価証券評価損は287億円と前年度に比べ1,334億円の減少となりました。また、クレジット・デフォ ルト・スワップ(CDS)にかかる評価益等は102億円と前年度に比べ244億円の改善となり、その他運用費用に含まれる資産担保証券(ABS)にかかる 評価損は1千万円と前年度に比べ384億円の改善となりました。 金融事業に関しましては、公的年金・企業年金の運用受託や投資信託の設定・運用等、安定的な収益基盤であるアセットマネジメント事業を中心に展開しております。 ◆CSR 東京海上日動は、地球環境保護の観点から紙の使用量を節減するため、平成21年5月、お客様にWeb約款の選択が可能となる仕組みを導入し、お客様がこれ を選択された件数に応じて、東京海上日動がマングローブ植林のための費用を寄付する「Green Gift」プロジェクトを展開しております。 当社は、平成22年1月、障がいのある方の雇用を促進するため、東京海上ビジネスサポート株式会社を設立しました。同社は、同年3月、障害者の雇用の促進 等に関する法律に基づく特例子会社の認定を受けており、今後、東京海上グループ各社から事務を中心とした業務を受託してまいります。 ◆対処すべき課題 平成22年度のわが国経済は、緩やかなデフレ環境の中で内需の低迷が見込まれるものの、海外経済の改善や政府による経済対策の効果等を背景に、持ち直し傾向が続くものと見込まれております。 保険業界におきましては、日本経済の一層の成熟化や少子高齢化等の影響により市場の拡大が見込みにくい状況にあります。特に、損害保険業界においては、大手社の経営統合により今後の競争環境がさらに厳しくなると予想されます。 こうした状況の中、東京海上グループは以下の課題に取り組んでまいります。 東京海上グループは、中期経営計画「変革と実行2011」の実現を目指して積極的に事業を進めてまいります。国内損害保険事業におきましては、競争優位性 のある商品・サービスの提供、販売基盤の強化・拡大、新たなマーケットの開拓等により持続的な収益成長を目指してまいります。国内生命保険事業におきまし ては、お客様のニーズを的確にとらえた新商品を投入するとともに、生損保一体となった取り組みにより営業の進展を図ってまいります。海外保険事業におきま しては、フィラデルフィア社およびキルン社をはじめとするグループ各社の着実な成長等により、規模と収益の拡大を追求してまいります。これらの施策によ り、国内損害保険事業における収益性を向上させるとともに、国内生命保険事業および海外保険事業のさらなる強化を通じて、グループの持続的な成長の実現を 目指してまいります。また、グローバルベースでの経営・管理態勢を強化するために、リスクベース経営(ERM)の実現に向けた態勢整備を引き続き行ってま いります。 東京海上グループは、「お客様の信頼をあらゆる活動の原点におく」という経営理念に基づき、収益性、成長性および健全性を兼ね備えた企業グループとしてさ らに発展していくために、グループを挙げて業務に邁進してまいる所存でございます。株主の皆様におかれましては、なにとぞ一層のご指導とご支援を賜ります ようお願い申しあげます。 (注) 1.金額および株数等は記載単位未満を切り捨てて表示、増減率等の比率は小数第2位を四捨五入し小数第1位まで表示しております。 2.キルン社、フィラデルフィア社およびトウキョウ・ミレニアム・リー・リミテッドの正味収入保険料として記載の円貨額は、平成21年12月末の為替相場による換算額であります。 以 上 |
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